家計の資産構成

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ギリシャに対する追加支援の行方が確定せず、金融市場は不安定な状況が続いています。政府債務残高は対GDP比130%にのぼり、国債の利回りは20%を優に超えています。一方、日本の政府債務残高は対GDP比200%を超え、OECD諸国中最悪の水準にありますが、日本国債の利回りは1%を下回っています。この理由として説明によく使われるのが、日本政府は多くの資産を所有しており、負債から資産を差し引いた純負債はGDPの130%程度というものです。また、ギリシャ国債は、そのほとんどが外国で保有されているのに対し、日本国債は活発な貯蓄活動の結果、預金を通じて国内で消化されていることも理由にあげられます。すなわち、日本の金融機関(特に銀行)は、預かった顧客の資産の多くを日本国債で運用しており、逆に見れば、主な国債の引き受け手は日本国民ということになります。

日本には1,500兆円を超える個人金融資産があると言われて久しく、日銀によれば2014年度末の残高は1,645兆円となっています。他方、355兆円の負債もあり、その6割は住宅ローンです。また、金融資産には441兆円の保険・年金準備金が含まれています 。これらを差し引くと、実質的には849兆円となり、巷間言われる水準から半減します。

日本の個人金融資産の半分は現預金であり、リスク資産である投資信託と株式は、それぞれ5%および9%となっています。ちなみに米国では、現預金は13%程度、投資信託と株式は、それぞれ13%および34%にも上っており、リスク資産が個人金融資産の重要な位置を占めています。

米国ほどリスク資産が投資家の支持を受けるに至っていないのは、金融機関の営業姿勢が問題であることもあるし、日本人の安全志向という国民性かもしれません。あるいは、投信の種類はすでに4,000を超えていますが、それでもニーズに合う魅力的なファンドが少ないのかもしれません。

それではなぜ米国ではリスク資産の保有割合が高いのか?それは幼少期から投資教育が行われているからだと思います。ゲーム感覚で投資の全体像を把握できる仕組みが作られています。そのため、株価は怖いものという日本人が抱きがちな先入観が先立つことはなく、もっと身近なものとして捉えることができます。

日本でのリスク許容度が低いのは、ほとんどの日本人が適切な投資教育を受けていないからだと思われます。最近では子供を持つ親世代の投資を促す目的から「子どもNISA」などが創設されたりしていますが、義務教育の一環として取り組む動きがないと、いくら政府が「貯蓄から投資へ」と投資を奨励しても、なかなか預金から投資信託や株式に資金がシフトすることは望みにくいと思います。

リスク資産への投資を勧めるつもりは毛頭ありませんが、個人にとってリスク相応のリターンが獲得できればインフレに対する有効な手段になるなどメリットもあります。もしも投資をお考えになっているなら、内外の株式インデックス・ファンドをお勧めします。手数料が安く、個別投資に比べ負けにくいことが理由です。