「セレンディピティ」

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セレンディピティという言葉があります。失くしていたものを運よく見つけたり、思いがけないものを偶然発見したりする能力のことをいいます。あるいは、問題を抱えているときに、まったく別の事象から解答が見つかる場合も該当します。

 

例えば、ペンを探していて、昨日探していたクレジットカードが見つかったとか、電話が鳴ったので出てみると、ずっと連絡を取りたいと思っていた友人からの電話であったなども。セレンディピティといえます。

 

セレンディピティは、イギリスの小説家であるホレス・ウォルポールの造語であり、自分が子供のときに読んだ「セレンディップの3人の王子」という童話にちなんだものです。セレンディップはアラビア語で、旧セイロン、今のスリランカを指します。王様である父親が、3人の息子たちを鍛えるために旅に出したところ、王子たちは旅の途中、意外な出来事と遭遇し、彼らの聡明さによって、もともと探していなかった何かを発見するという話です。

 

何か目標を立てて、それを達成することも大事ですが、予期していなかった偶然の発見や遭遇も魅力的といえます。ただ、こういうものは、見つけてやろうとか、何かいいことないかなとか思いながら獲得できるものではないようです。肩の力を抜いて虚心になった状態が、偶然の発見につながるといえます。

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話がそれるかもしれませんが、学校で頭がいいと言われる子供は、一度習ったことを忘れない、すなわち記憶力の高さが評価されていることが多いと思います。それでは、物覚えが悪い子供は頭が悪いのかというとそうとは言い切れません。記憶力が良いか悪いかは、一度聞いたり、習ったりしたことをすぐに引き出せるかどうかで決まります。記憶したことを引っ張り出せるタグのようなものがあるかという技術的な話です。

 

脳は外部からの情報を絶え間なく受け入れています。頭の中でそれらを理解し、消化する点では、記憶力にそれほど影響されません。何でも覚えて、常に引っ張り出せるようにしておくことは便利ですが、頭の中は覚えたことで満杯になってしまいます。覚えることも大事ですが、セレンディピティという魅力的な能力を磨く上で、忘れることも侮れないと思います。